政経倶楽部広島支部第34回例会

政経倶楽部広島支部第34回例会へ。
日本政策研究センターの岡田幹彦先生による「日本人にとって天皇とは何か」という演題にてのご講義。
以前、ご著書「乃木希典」を拝読して以来、尊敬してやまぬ岡田先生のお話を直接拝聴でき、また、広島支部のスタッフの皆様から不肖私までもが歓待に浴し恐縮しつつも、大変素晴らしいひとときを過ごさせていただいた事に深謝。
以下、私個人の私感として。
現代人のうち、「天皇」について正しく理解している人はどれ程おられるでしょうか。...
「天皇」について正しく理解するには、まず、この国の成立ちを正しく理解しなければなりません。
戦前は、皆、子供の頃から、学校ではもちろんの事、まず以て家庭という日常の場に於いても身近に「古事記」を学び、我が国の成立ちを知り、自ずと天皇のご存在と日本民族の魂の根源を習俗として肌身を通して感じとり理解していたと、大正生まれの父から常々聞かされたものです。
当時、「世界のいずれの国の王も須く覇王であるが、唯一、天皇だけは覇王ではない。世界に類を見ぬ無二の存在」と天皇について教わった事もよく覚えています。
我々日本民族は天孫降臨した神の裔であり、その直系に当たる天皇は、国家と国民が安泰であるよう祖先の神々に祈りを捧げる、その事こそが日本に於ける本来の「まつりごと」。
嘗て、天皇が国父、皇后が国母といわれたように、天皇と国民は無償の愛によって結ばれた親子の関係でもあります。
国家の守りへの祈りを神にお届けする手段として、古来、和歌が用いられてきました。
和歌に祈りの言霊を託すのです。
これが現代でも皇室に於いて和歌が詠まれる所以ともいえるでしょう。
以上を以てしても、「天皇」は他の王室の如き「専制君主」とは一線を画すご存在。
嘗て、大東亜戦争の開戦を決定するに至った御前会議にて昭和天皇は「よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ」と詠まれました。
それとは対照的に、同じく開戦直前にアメリカの為政者・ルーズベルトが放った言葉「私は決して宣戦はしない。戦争をつくるのだ」
日米の民族性の違いを推して知るべしです。
世界に類を見ぬ日本という国のかたち、そして神々の子孫である事の誇り、それは現代の日本人から忘れ去られてしまいました。
民族の魂と誇りを失った時、それは亡国の一途を辿るのみ。
今一度、我々は世界に誇る日本民族の誇りを取り戻さなければなりません。
悠久にそれを継承する事により、愛すべき我々の祖国が、そして愛すべき我々の子孫が平和に幸せに永遠に繁栄し続ける為に。