世界遺産・丹生都比売神社参拝

神代、天照大御神の御妹神・丹生都比売大神が降臨された聖地に、千七百年以上も前に鎮座した丹生都比売神社は、真言密教の総本山高野山の守護神として祀られてきた全国数百の丹生神社の総本社を誇る紀伊国一の宮である古社。

懇意にさせていただく丹生都比売神社宮司・丹生晃市様よりお招きいただき、参拝させていただきました。

参拝に先立ち、近くのレストラン「天の里」にてお食事をご一緒させていただき、大変温かい心尽くしの御歓待を賜りました。

会食後は、正式参拝をさせていただき、丹生宮司御自ら、通常は立ち入る事のできぬ御垣内や境内を特別なお計らいにてご案内をしてくださいました。

紅葉もまさに見頃を迎えており、とても美しく神々しいまでの景観で、多くの参拝客で賑わっていました。

御垣内のお写真は、神聖な御神域でもございますので、非公開とさせていただきます。

正式参拝、御垣内参拝の後は、社務所奥のお座敷にて丹生宮司より座学でのご講義を賜りました。

以下、丹生宮司よりご教授いただいたご由緒。
この地に降臨した女神・丹生都比売大神は紀州・大和を巡られ農耕を広められ鎮座、その後、応神天皇が社殿と紀伊山地北西部の広大な土地を神領として寄進されたと伝わります。
「今昔物語」によると、弘法大師の前に丹生都比売大神の御子・高野御子大神(たかのみこのおおかみ)の化身が黒と白の犬を随えた狩人に身を変えて現れて高野山へ導かれた事から、弘法大師は丹生都比売神社よりご神領である高野山を借り受け、その山上大伽藍に大神の社殿を創建して守護神として祀る事により真言密教総本山高野山を開山するに至りました。
この神道と仏教の融合した文化的景観が評価され、丹生都比売神社境内は世界遺産に登録されました。
境内をご案内いただいた後は、社務所奥のお座敷にお通しいただき、コーヒーのご接待を賜りつつ、更にお話も盛り上がりました。
特に興味深かったのは、元寇の折に、丹生都比売大神も託宣を下され、ご本殿の門扉が開き大カラスが九州に向かって飛び立っていったとか。
同時期に、高野山の大阿闍梨が福岡は志賀海神社の火焔塚に於いて夷狄調伏祈願を行ったそうで、元寇の際、御家人だけではなく、全国の寺社仏閣全ても力を合わせて元の襲来から国を守ったとの事。
神仏の偉大さを改めて感じ、大きな感激を覚えました。
今回は、四時間以上もの長時間に亘り、普通には有り得ぬ程の篤きご厚遇を賜りました丹生宮司に感謝の絶えぬ思いです。
紀ノ川流域に降臨された女神のご神威を肌で感じ、清清しい参拝となり、いまだ感激冷めやらぬ状態です。
格別なるご厚遇をお授けくださった丹生宮司に篤く深謝です。