長谷寺参詣

全国の真言宗豊山派長谷寺を始め三千ヶ寺もの関係寺院の総本山であり、奈良の、否、日本が誇る名刹・長谷寺へ、遂に参詣が叶いました。
執事様の格別なご配慮にて、ご案内の方までご随伴をいただき、通常では決して拝観させていただけぬ非公開の内部まで特別に入れていただき、言葉では言い尽くせぬ程の素晴らしい経験をさせていただきました。
共にお連れさせていただいた楠公研究会の三役も、二度とは経験できぬ素晴らしき体験に感激し通しで、長谷寺様の皆様からのご厚遇に只只深謝です。
長谷寺の歴史は古く、天武天皇の御代にまで遡り、全国三千ヶ寺を有する真言宗豊山派の総本山を誇る名刹中の名刹。
まずは、谷汲山のいのりちゃんがお出迎えくださいました。

一般には立ち入れぬ御本坊事務所にてご歓待も賜り、茶菓の御接待をいただきつつ、楽しく過ごさせていただきました。

先生の先導に随い、正面に聳える大変立派な仁王門から、回廊の美しい登廊へ。
上中下の三廊に分かれていて、一番上の登廊は江戸期のままの姿が遺されています。

登廊の脇には、冬でも美しい牡丹が🌸
さすが牡丹のお寺様。

3日後の大晦日には、この登廊の両側の足元にずらっと並ぶ灯籠に灯が灯される観音万灯会が行われ、新年を迎えるに相応しい荘厳美を拝観することができるとの事で、絶対におすすめ。
もちろん除夜の鐘もつかれます。

全部で399段の階段を上がった本堂前にて、長谷寺の法務執事でいらっしゃる先生の御歓迎をいただきました。
これから、格別なご配慮によるご案内にて、国宝の本堂並びに奥深くを特別に拝観させていただきます。

徳川家光公が寄進し建立され国宝に指定されている長谷寺の本堂は、断崖絶壁に建立された舞台造で、清水寺の舞台を彷彿とさせます。
本堂正面の扁額「大悲閣」はご本尊・十一面観世音菩薩の慈悲深さを表しています。

また、舞台からの眺望も絶景で、下には古来より歌にも詠まれてきた初瀬川の流れを望む古代から変わらぬ景色に、古代人の想いを感じ、日頃の忙しなさをしばし忘れ、思わずうっとりと眼下に広がる絶景に見入ってしまいます。

今回は、通常非公開の本堂奥の内舞台の更に奥深くまで、格別なご配慮にて特別に入らせていただき、身長が約10メートルもあり見上げる程のご本尊様のおみ足に触れさせていただきました。

十一面観世音菩薩様は、迷える人間達をいつでもすぐに救いに行けるよう、錫杖を持った立像であり、更に、救いの一歩がすぐに踏み出せるように片方のおみ足が少し前に出ておられます。
また、救いを求める者それぞれに合わせて33通りにまでお姿を変えられ、人々を救済してくださるご様子も内陣に美しく描かれており、その荘厳なまでに彩られた色彩美が内陣の薄暗がりに仄かに浮かび上がっていました。
ある時は人間のお姿にもなられて迷える人々をお救いになられる観世音菩薩。
もしかしたら、すぐ近くにいる方が観世音菩薩の化身であられたり・・・という事もあるのかもしれません。
そんな有り難い十一面観世音菩薩様のおみ足にすがり、手で触れさせていただきつつ、しばしの間、ひれ伏し額付きながら自らの罪深き煩悩から解き放たれるべくお参りをさせていただくことができ、深い救いを得られた思いでした。
今回、特別に入らせていただいた奥深くの内陣は、写真撮影厳禁の神聖な場所。
御仏のお美しくも有り難きお姿をしっかりと目に焼き付けました。
ご本尊様は、近江は高島の楠の霊木を用いて造られたとの事で、私、楠木一族としても思い入れの強いものを感じました。